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モトローラソリューションズ  DFAによる製品ベンチマーキングと製品改善度の測定

モトローラソリューションズにはハンドヘルドリーダー(写真左)マイクロキオスク端末(写真右)など多く製品がある。 モトローラはこれらの製品をブースロイド・デュウハースト社のDesign for AssemblyDFA)ソフトウェアによりベンチマークし、部品点数と組立時間の短縮を実現した
 

当社の設計はどう優れているのか? 新製品は旧製品よりも改善されているか? 自社製品を他社製品とどう比較すべきか

グローバル経済の激しい競争環境のもと、通信業界最大手のモトローラの経営幹部は、こうした疑問に対する答えを求めた。 そして、その作業はニューヨークデザインセンターの技術マネージャであるリッチ・ダレルに委ねられた。 ダレルはこう語った。「当社のリーダは、わたしに当社製品の設計改善度を測る手法を提案するように求めたのです」
ダレルと彼のチームにとって、それはモトローラ製品に加えて2007年の合併により加わったシンボルテクノロジー社の政府、公安機関向けのモバイルデータ端末を含む数百の製品を扱うことを意味した。さらに、こうした製品は世界6拠点(米国3拠点、イスラエル、メキシコ、マレーシアに各1拠点)で設計製造されており、その作業を一層複雑なものにした。

測定方法を選ぶ
この課題に対応するため、ダレル25以上前、最初モトローラによって採用されたロード・アイランド州に拠点を持つBDIが開発したDesign for AssemblyDFA)ソフトウェアに着目した。DFMAと呼ばれるより広範なソフトウェアツールの一部をなすDFAは、不要な部品を削減することにより製品設計を簡略化、組立を容易にして工程費を減らすことができた。

DFA
はモトローラに導入されて以来、社内トレーニング機関であるモトローラ大学(現在のMotorola Solutions Learning)より リーン生産やシックスシグマとともに企業内の基本技術として統合された。 やがて、企業全体が成長し、製品ポートフォリオが拡大するにつれ、技術部門もその成長に歩調を合わせることを迫られたが、必ずしも同期が保たれた訳ではなかった。 「世界中のデザインセンターが同じソフトウェアを使用していても、各拠点がそのソフトを開発に利用する方法は違っていました。」こうダレルは語った。 そこで2012年に、わたしたちは全社的なDFAのチームを作り、プロセスの統一に着手しました。

ダレルは、ニューヨークデザインセンターの新製品開発プロセスエンジニアで同僚のクリス・フォーリーと共にチームを率いた。 彼らは全体的な製品設計の測定基準としてDFAソフトウェアによって計算される DFA指数 に注目した。 DFA指数は「理想的な」製品の組立時間を現行製品の組立時間で割ったもので、「理想的な」製品とは理論最少部品で構成される製品を指す。 簡潔に言えば、  DFA指数は理想の製品に対する現行製品の組立性を示す評価基準であった。

DFAは、製品がその機能を果たすにはどの部品が必要で、どの部品は削減できるかを示すことができます」とフォーリーは語った。 「このソフトウェアにより、製品を簡略化することにより、大幅なコストダウンを実現することができます」。   2人の技術者は製品の改善度を示す指標としてDFA指数が機能すると確信した。  「それは求めていた目的に完全に適合していました。」  そうダレルは語った

製品グループを作る
DFA指数が、既存の製品に対する新製品の設計改善度を示すデータを提供することが確認されると、ダレルとフォーリーは異なる製品の間でもDFA指数を比較基準として使用するための作業取りかかった。    当社には数百もの製品と多様な製品グループがあります」 フォーリーは言う。 「オレンジとリンゴを比較しても意味がないので、赤いリンゴを別のリンゴと比較しようと考えました。」 彼らはさまざまな製品を製品グループに分け、次に各製品グループのDFA指数を計算することにした。

最初に、2人は自社製品をモトローラの製品とシンボル社の製品とに分類した。 すぐに、分類はさらに複雑になった。 スキャナ製品を例にとると、在庫管理用のコード付き機器と小売り会計用のワイヤレス機器とに分類された。  コード付きの機器は、ワイヤレス機器よりシンプルで少ない部品により構成されており、この分類が製品グループの分類として適切であることを示した。 さらに、製品がレーザタイプかデジタルタイプかによってサブグループに分類された。  

すべての製品をグループまたはサブグループに分類してみると、同じグループに分類された製品はテクノロジーにより密接に関連していることが判った。 こうして同一グループ内の製品が設計戦略や製品機能を共有していることが確認された。 「私たちは同じ種類のリンゴの比較ができるようになったのです」 そうフォーリーは語った

製品グループへの分類作業を終えると、すべての製品をDFA手法により分析する作業が始められた。 すべての製品のDFA指数が計算され、製品グループとサブグループにも指数のレンジと平均値が与えられた (1) さらには、競合製品のDFA指数の計算が行われた。 「ベンチマーキングはいつでも私たちの活動のカギです」 ダレルはそう語った。



1DFAソフトウェアにより、モトローラ製スキャナ(上)とモバイルコンピュータ機器(下)のDFA指数が計算された。   各製品グループの平均値とレンジとして設定されたこの値は、将来の新製品設計の目標値とされた。

この基準により、モトローラ全社の設計部門は、担当する製品設計が、社内最高水準の設計目標に対し、どの位置にあるかが明らかにされた。 この基準はまた、設計部門新製品を開発する際の定量化された改善目標となった。

DFAのグローバル展開
のステップは社内の設計グループをDFAを軸にして再編成することだった。 このため、ダレルは世界各国のデザインセンターを訪ね、トレーニングと導入活動を実践した。
各国のデザインセンターへの訪問に続き、ダレルとフォーリーはすべてのデザインセンターの参加のもと、毎週ビデオ会議を開催した。この会議には、設計、製造、製造技術の専門家に加え「機械、工程、品質担当のエンジニアが招集されました。電気、ソフトウェアのエキスパートに購買関係者も参加しました。そう、あらゆる部門から代表者が参加しました。」 そうフォーリーは語った

「この社内横断グループによるDFA指数をもとにした活動により、企業全体の製品開発プロセスの効率が改善した」そう、フォーリーは言う。 「たとえば、コストダウンが必要な製品開発を始める際は、対象製品グループのDFAデータを検証してコスト高の組立工程や不要な部品が含まれていないかを事前に知ることができます。 DFAを使用することにより、我々はこれまでの実績の検証と同時に、将来発生する可能性のある問題を避けることができました。 DFAはこうした設計上の議論を支援するツールとして機能しました。」

ダレル
によれば、DFAはモジュール化、コネクタの削減といった部品数の削減提案だけでなく、モトローラ企業内の多数の組織が一体となって、通信やコンピュータ環境の急速な進展に追従する助けになっているという。 これには、デジタル画像データやBluetooth対応といった技術採用に必要とされる設計変更を含めて 「私たちは、明日の技術を今日見る必要があるのです」

さらに、DFAは、「コンセプト」「クリティカル」「ファイナル」というモトローラの設計プロセス3段階の全てにおいて評価ツールとして採用された。 「設計変更や新規設計のプロジェクトを始めるときは、いつでも改善目標を定めます。」  ダレルはこう加えた。 「目標はDFA指数の範囲内か、それを上回ることです。」

マネジメントを測定する
毎月、私は社内の幹部に対し、DFAデータをもとに当社の製品開発プログラムの進行状況の報告を行っています。」  ある製品が目標値より低い指数であれば、すぐさまその製品に係るスタッフ全員に対して幹部からメールが飛び、開発プロセスに組込まれた早期警報システムにより、開発サイクルの初期段階での設計レビューと設計変更が開始される。

ダレルが作成する報告書には、ソフトウェアが提供するコスト改善の財務情報が含まれている。 「1台あたり1ドルの節約ができれば」 彼は続ける 「製品を年間10万台生産すれば、当社はDFAへの投資から10万ドルの節約ができます。」 品質はモトローラにとって最重要目標ではあるが、コスト低減はあらゆる面で重要な第2の目標といえる。

私たち誰もが設計開発の初期段階でDFAを使うことにより大きなコスト低減が可能であることを認識しています。」 フォーリーは加えた。 製品設計の会議で、彼とダレルは、部品には隠れたコストがあることをチーム全員に思い起させる。 それはよくとり上げられる - 製造業の組織の費用の大半は製品の設計から生じている -いう事実である。

当期の決算が終わり、ダレルは経営幹部からDFA活動に対する継続的支援の約束を得た。首尾よく、部品数の削減を通じ、多くの製品の組立時間が削減され、DFA指数はあらゆる製品グループに対して、着実な改善を示した(2) 結果として、モトローラは社内の貴重な資源を他の改善活動に振り向けることができるようになった

2 : 製品の設計変更または同種の新製品に対するDFA指数の推移。DFA指数が増加しているのは、
DFA手法より部品点数が削減され製品改善が進んだことを示している

出典 : “A Metric for Product Improvement, Motorola Solutions uses DFA software to benchmark designs and measure improvement in its global product portfolio”  BDI website case study より



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